1981年の10大ニュース

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北炭夕張新鉱ガス惨事、死者93人

10月16日の夕方、北海道夕張市清水沢の北炭夕張炭鉱の夕張新鉱坑口から約3000メートルの斜坑で、ガス突出事故が起き、続いて坑内火災が発生した。このため坑内で作業していた160人と救援に向かった10人が被災。77人は自力で脱出したが、救援隊を含む93人が犠牲となった。23日になって鎮火のために59人の遺体を残したまま坑内に注水が開始された。戦後日本の炭鉱災害史上3番目の犠牲者を出した。会社側は12月15日、会社更生法適用を札幌地裁に申請、事実上倒産した。

神戸ポートピア’81開幕

「新しい海の文化都市の創造」をメインテーマにした「神戸ポートアイランド博覧会」が03月20日に開幕した。神戸市が15年の歳月をかけて神戸港沖合に造成した人工島の完成を記念したもので、その一角に設けられた会場には32のパビリオンが立ち並んだ。国内企業約500社が出展、地元および地方自治体などが約120、海外からも27カ国が参加した。09月15日の閉幕までの入場者数は1610万2752人、収支決算は約65億円の黒字となった。

福井教授にノーベル化学賞

スウェーデンの王立科学アカデミーは10月19日、京都大学工学部石油化学科の福井謙一教授(当時62歳)にノーベル化学賞授与を決めた。日本では6人目、化学賞では初めての受賞となった。受賞対象となった研究は、福井教授が1977年に発表した「フロンティア電子理論」。

小佐野被告実刑判決

ロッキード事件初の判決公判が11月5日、東京地裁で開かれ、田中角栄元首相の“ふんけいの友”とされる国際興業社主・小佐野賢治被告(当時64歳)に議院証言法違反で懲役1年(求刑・同2年)の判決が下った。また、10月28日には、東京地裁のロッキード事件丸紅ルート公判に元首相秘書官・榎本敏夫被告の元夫人・榎本三恵子さんが検察側証人として出廷し、榎本被告が丸紅からの5億円受領を認め、証拠隠滅をはかったと証言した。榎本三恵子さんは証言後の記者会見で「ハチは一度刺すと自分も死ぬという。私もその覚悟はしてます」と語った。「ハチの一刺し」は流行語となった。

三和銀行オンライン詐取事件

三和銀行茨木支店(大阪府茨木市)の預金係の女子行員(当時32歳)がオンラインシステムを悪用、大阪、東京の4支店に設けた架空口座に送金し、現金と保証小切手計1億3000万円を引き出したうえ、フィリピンのマニラ市に逃亡していることが、09月05日に発覚した。女子行員は08日に同市内で捕まり、「好きな人のためにやった」と自供。愛人関係にあった会社役員(当時35歳)も詐欺などの共犯で国内で逮捕された。

東京で通り魔、母子ら4人刺殺

東京都江東区の路上で、06月17日、覚醒剤を常用していた川俣軍司容疑者(当時29歳)が、通行人6人を次々と包丁で襲い、母子ら4人を刺殺、2人に重軽傷を負わせた。その後、主婦を人質に中華料理店に籠城、7時間半後に逮捕された。事件後、覚醒剤犯罪が問題化。川俣被告は心身耗弱による減刑で無期懲役の判決を受けた。

ローマ法王が来日

246代にわたるローマ法王の中で、ヨハネ・パウロ2世が、02月23日、初めて日本を訪れた。法王は、羽田空港の滑走路に敷かれた絨毯にひざまずき、大地にキスして日本への敬意を表明した。翌24日には、皇居を訪問、天皇陛下と約45分間会見した。また、東京・日本武道館で開かれた「ヤング&ホープ大集会」に出席し、約4000人の若者と「希望」、「愛」、「平和」について対話した。その後、広島、長崎を訪れ、26日に離日した。広島では原爆慰霊碑に献花、全世界に向けた「平和アピール」を発表した。

巨人軍8年ぶりに日本一に

プロ野球日本シリーズの第6戦、10月25日、巨人は日本ハムを6対3で下し、通算4勝2敗で、V9達成の1973年以来、8年ぶりに16度目の日本一に輝いた。藤田元司監督、王貞治助監督、牧野茂ヘッドコーチの「トロイカ体制」でスタートした新生巨人はシーズン開幕から好ダッシュを見せ、9月23日に4年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。

鈴木改造内閣発足

鈴木善幸首相は11月30日、自民党役員と内閣の改造人事を行った。党人事では田中角栄元首相の腹心であり、灰色高官とされた二階堂進氏を幹事長に、また内閣では、中曽根康弘行管庁、河本敏夫経企庁両長官、渡辺美智雄蔵相らを留任させ、ニューリーダーを党、内閣に配した。新体制は、景気浮揚策と財源をめぐり閣内の意見対立が表面化、さらに首相が打ち上げた「企業増税」は財界、自民党内からの反発で妥協するなど、波乱含みのスタートだった。

早稲田大学商学部で成績原簿偽造事件

早稲田大学商学部で、03月28日、教職員らが在学生や卒業生の成績表原簿を偽造していた事件が明るみに出た。警視庁は無印私文書偽造、同行使の疑いで捜査、04月12日までに元教育学部教授ら4つの工作ルートの関係者9人を逮捕した。このうち2被告に対し、11月06日、東京地裁は「早大の名誉と伝統を著しく傷付け、成績原簿の神聖さを失わせた」として有罪判決を言い渡した。残る7被告も12月25日、実刑3人を含む全員が有罪判決を言い渡された。

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