1982年の10大ニュース

  • 2021年(令和3年)2月21日|日曜日
  • 2021年(令和3年)2月20日|土曜日
  • 1982年 / 昭和57年
1982年の10大ニュース

1982年(昭和57年)2月8日ホテル・ニュージャパン火災事故

1982年(昭和57年)2月8日午前3時半過ぎ、東京永田町のホテル・ニュージャパンの9階客室から出火した。9、10階の約4300平方メートルが約9時間にわたって炎上、死者33人、重軽傷者29人を出す大惨事となった。同ホテルはスプリンクラーなどの防火設備が不備の欠陥ホテルで、東京消防庁から再三にわたって改善指導、勧告を受けていた。しかし、横井秀樹社長ら経営陣は安全より営利を優先させ、勧告などを無視していた。11月18日、横井社長、副社長(横井社長の長男)、支配人らは逮捕。12月9日、業務上過失致死で起訴され、その後、有罪が確定した。

1982年(昭和57年)2月9日羽田沖で日航機墜落事故

1982年(昭和57年)2月9日午前8時45分頃、東京・羽田空港沖で着陸態勢に入った福岡発の日本航空DC8型機が滑走路手前の海上に墜落し、乗客24人が死亡、149人が重軽傷を負う事故が起きた。運輸省事故調査委員会などの調査で、事故は心身症の病歴のある機長(当時35歳)がエンジンを逆噴射させるなどの異常操縦をしたため、と判明した。警視庁は機長の責任を追及したが、精神鑑定の結果、機長は事故当時「心神喪失状態にあり、刑事責任は問えない」とされ、不起訴処分となった。機長の精神障害が原因という航空事故は世界でも例のないものだった。

鈴木首相退陣、中曽根新内閣発足

自民党総裁選告示を4日後に控えた10月12日、鈴木善幸首相が退陣を表明。後継についての話し合い調整は失敗に終わり、中曽根康弘、河本敏夫、安部晋太郎、中川一郎の4氏による予備選に突入した。この結果、田中、鈴木両派の支持を受けた中曽根氏が過半数を上回る得票で圧勝。2位の河本氏、3位の安部氏が本選挙出馬を辞退したため、中曽根氏が第11代自民党総裁に決定、11月27日に中曽根内閣がスタートした。蔵相に竹下登、官房長官に後藤田正晴など田中派が6ポストを占めた。

三越事件で前社長ら逮捕

百貨店の老舗・三越の岡田茂前社長(当時68歳)が自宅改修工事費に約5000万円の社費を流用したなどの特別背任容疑で、10月29日、警視庁に逮捕された。これに先立って、岡田前社長と個人的にも深い関係にあった三越納入業者の竹久みち容疑者(当時52歳)も、10月18日、1億6000万円にのぼる脱税容疑で東京地検に逮捕されていた。その後、2人が三越を私物化していた実態が明らかになり、捜査当局は、12月01日、2人を約18億7000万円にのぼる特別背任罪などで追起訴した。2人は、一、二審で有罪判決を受けてともに上告。岡田被告は1995年07月に死亡し、控訴棄却となった。岡田前社長は09月22日に三越の定例取締役会で社長解任案が提出され、16対0で社長解任が決定した。その席上で叫んだと言われる「なぜだ」の一言は当時の流行語にもなっていた。

東北・上越新幹線が開業

東北新幹線の大宮-盛岡間465.6Kmが06月23日に、上越新幹線の大宮-新潟間270kmが11月15日に、それぞれ開業した。

長崎に集中豪雨

九州北部は07月23日夕方から集中豪雨に見舞われ、長崎県・長与町では1時間に187ミリという観測史上1位の雨量を記録した。長崎市内では中島川にかかる眼鏡橋(国の指定重要文化財)が半壊したのをはじめ、各地で河川の氾濫、土砂崩れ、家屋の倒壊などの被害が続出し、死者295人、行方不明4人、負傷者166人にものぼった。

「教科書」内外で問題化

歴史教科書の記述のなかで、文部省が旧日本軍の「侵略」を「進出」と書き換えさせたとして、検定姿勢が問題となった。国内からの批判だけでなく、中国政府が07月26日、「歴史の改ざん」として公式に抗議を表明、韓国政府も記述の修正を求めるなど、外交問題に発展した。このため政府は08月26日に次期検定の1年繰り上げなどの方針を発表、また文部省は、11月24日にアジア諸国との友好促進の配慮を求める新検定基準を明示した。

大阪府警、ゲーム機汚職

大阪府警曾根崎署などの警察官グループが、賭博ゲーム機やピンクサロンの摘発情報を業者に流し、賄賂を受け取ったという汚職事件が、11月01日に発覚した。大阪地検特捜部と大阪府警は、現職警官3人、OB2人、業者10人を逮捕した。この間、疑惑を受けた警官の1人が「自分は潔白」と自殺したほか、前府警本部長の杉原正警察大学校長までが「在任時代の監督責任を痛感」の遺書を残して自殺した。

偽5000円札事件、大分で解決

09月05日、大分市郊外にある市営不燃物埋め立て地に、10億円分を超える偽造5000円札が詰まった麻袋34個が捨てられているのを市職員が見つけた。科学警察研究所で鑑定した結果、前年暮れから03月にかけて関西方面で出回った偽札と同一物であることが判明。大分県警は同13日、同市内の元印刷会社社長らを通貨偽造などの容疑で逮捕した。

IBM産業スパイ事件

日立製作所と三菱電機が、世界最大のコンピューターメーカーのIBMから、機密文書を入手するため、米連邦捜査局(FBI)のおとり捜査官に多額の現金を支払ったという産業スパイ事件が、06月22日、明らかになった。米国内の両社の社員ら7人がFBIに逮捕され、盗品運搬輸送共謀罪で両本社とともに起訴された。最先端技術をめぐる日米摩擦を象徴するもので、国内のコンピューター業界にも微妙な影響を与えた。

80s!

1982年 / 昭和57年カテゴリの最新記事